引き算のコラージュ

最近手掛けている一連のコラージュ制作における留意点。


(1)素材のおもしろさに依存しないこと。

コラージュの問題点は、素材を切って適当に並べた時点で、既に面白いイメージになってしまうことだ。しかしそれはただコラージュという手法、およびその素材に因る面白さに過ぎない。


(2)足し算の容易な手法であるからこそ、ぎりぎりまで要素を減らすこと。

組み合わせという偶発性の中にも、作家の意志や作為、身体性などを持ち込むには、素材となるイメージを何ものかへと変容させる必要がある。作成中のイメージが如何様であるのかを見極め、不必要な要素を取り除くこと。それは取りも直さず(1)の「素材が持つ面白さ」、素材の持つ文脈によってあらかじめ被ったテイストから切り離す作業でもある。


・コラージュは視覚的形象操作のエクササイズにぴったりだということ。

・素材が植物や衣服のカタログであることが多く、ともすれば安易にガーリーなイメージが結ばれてしまう。コラージュという手法において、(イメージを操作するのではなしに)イメージに操作されるというようなことを避けるためにも、精査や取捨選択における慎重な判断が要求される。